美しさ

買い物をしているとき、値段を気にする。安いとうれしい。本当に得をするか、という問いは難しい。満足の予測を値段に比べること。その値段が安いかどうかというのは感覚によるもの、得か損か、というより、その値段が美しいか醜いか、という領域にむしろ近い。美しい値段のものをかごに入れるとき、節約の意識は隠れる。いまの自分には限られた資源があるという制約を忘れる。制約を守るゲームは戦略のゲーム。戦術のゲームでは、資源は限られているからこそ制約は解かれる。値段の美しいものを買う気分のよさは、値段に糸目をかけずにほしいものを買う気分のよさに通じる。日々、豪遊している。

こんなとき - 反言子